アパートの自分の部屋が恐くて、どうにかして欲しいと思い、国定先生にご相談しました。「毎晩、夜中になると人の気配を感じるのです。たまに女の人影が部屋中をグルグル回っている姿を見たこともあります。この部屋、引っ越すべきでしょうか？」私が自室で起きていた怪現象について説明すると、先生はさっそく霊視をしてくださいました。

「たしかに貴女の部屋には女の霊がいますね。ただ、部屋に取り憑いている地縛霊ではなく、何かの物品と一緒に入ってきた霊です。最近、誰かから物をもらいませんでしたか？」「とくにそういうことはありません」と答えると国定先生は数秒沈黙し「いや、確かにあるはずです。ああ、これは傘ですね。貴女、誰かに花柄の傘を借りたでしょう？」言われてようやく思い出しました。

一ヶ月ほど前に友人の家に遊びに行ったとき、帰りがけに雨が降ってきて、その家の傘を借りてそのままになっていたのです。

「その傘に憑いている霊です。霊本人に取っては思い入れのある傘なのでしょうね」そういえば、私の友人のお姉さんは二年前に病気で亡くなっています。

借りてきた傘はそのお姉さんの持ち物だったのに違いないと思いました。翌日、友人の家へ傘を返しに行くと、その晩から怪現象はピタリと収まりました。あの傘、もしかしたら生前にお姉さんが好きな男性からプレゼントされたものなのかもしれない……私はふと、そんなことを思いました。

【大阪府東大阪市　好美さん（27歳）】