青森イタコの開運相談室
第一回 失業してしまった恋人と別れるべきでしょうか?
公開鑑定の第一回は、将来を誓い合っていた男性が不運にも失業してしまったという悩みです。相手に対する愛情と経済的な問題を天秤に掛けざるをえない状況で、どのように決断するべきなのか、思い悩んだ末のご相談となりました。
東京の会社に勤めていた恋人が、リストラされて失意の帰郷をしました。これから彼にどう接すれば良いのか、途方に暮れています……
岐阜県にお住まいの松元由希子さん(仮名)26歳の悩み
相談概容
今から7年前、東京で過ごしていた大学時代に出会い、以来ずっと付き合っている同郷の恋人がいます。彼が私と同じ町の出身ということは、知り合ってしばらくした後に偶然知ったのですが、当時はそのこと自体に何か運命的なものを感じ、余計に仲が深まったというところもあります。(もしかして、この人が私の運命の相手?!)と、神秘的なときめきを感じてしまったのです。卒業後、私は故郷に戻って就職したのですが、彼は都内の企業に採用され、その後は数年に渡って遠距離恋愛が続いていました。そんな彼が最近、久しぶりに帰省したのですが、この度はそのことについてのご相談です。
帰省というよりは、完全なUターンでした。勤め先でリストラに遭い、再就職もできないまま、とりあえずその実家に身を寄せることになったのです。彼の実家は地元で小売業を営んでおり、このまま次の仕事が見つからなければその店を継ぐことになりそうなのですが、正直言ってそちらの商売も芳しくないようで、以前、彼のお父さんから「このままだと数年で店を畳むことになるかも……」と愚痴を聞かされたこともあります。そんなお店を継いだところで、明るい将来があるとはとても思えません。
彼とはすでに結婚の約束もしていたのですが、その失業を知った私の父母がここに来て急に猛反対し始めました。今後、彼に対してどのように接すれば良いのか、私自身も非常に戸惑っています。あくまで自分の気持ちに正直に、愛情を優先するべきでしょうか?それとも、大人しく父母の言葉に従うべきでしょうか……。
霊能者による遠隔霊視の結果
担当霊能者からの言葉
一連の事情と現在のお気持ちを伺った上で、さっそく遠隔霊視をさせていただきました。 開始後、まず頭に飛び込んできたのは相手の男性がリストラ宣告を受けるまでの経過でした。当時、彼の勤務先は急激な業績悪化に陥っていたようで、かなり急いた感じで人員整理を断行した痕跡が窺えます。パワハラとしか言いようのない個人攻撃の末に無理矢理、辞めさせられるという形であったようで、その際に一個の人間としてのプライドも相当傷つけられています。
強気な人物であれば、こうした不当解雇に対して損害賠償請求などの強硬手段に出ることもできたのでしょう。しかし、元来おっとりとして優しい性格のこの男性にはどだい無理な話でした。そもそも、この会社にはまともに機能している労働組合や社員の互助組織のようなものがなく、どこへ訴えれば良いのかという基本的な知識さえなかったのだと思います。そして後に残ったのは「自分は無能だ。何をやっても上手く行かない」という重苦しい自信喪失感……という顛末のようです。
直接、本人の口からは知らされていないかもしれませんが、この男性は失業後しばらくの間、鬱症状に苦しんでメンタルクリニックにも通っています。そのような最悪のコンディションで再就職の活動などまともに行えるはずもなく、万策尽き果てて実家に避難したというわけです。
ただし、この人にとっての人生最悪の時期はすでに過ぎつつあります。お話を伺う限りでは、失意の帰郷をしてからすでに3ヶ月ほどが経過しているそうですが、いまだに本人の心の傷は完全に癒えきってはいないものの、東京に住んでいた頃と比べれば精神的にはかなり持ち直してきているはず。また心のコンディションの回復につれて、新しい仕事へのビジョンが少しずつ芽生えてきているように感じられますし、過去の友人関係のつながりに基づく援助の兆しも見えています。できれば結論を急がず、もうしばらく彼の立ち直りを見守ってあげることはできないでしょうか。
口寄せ鑑定
(核心部分を抜粋して掲載)
遠隔霊視後、問題の男性Aさんの生き霊意識を呼び出して対話を試みました。
先生「……現在のお気持ちはいかがですか?」
Aさん「由希子はどう感じているか知りませんが、自分ではだいぶ安定してきたと思います。実家に帰ったばかりの頃は、恥ずかしさと気まずさでろくに外にも出られない始末でしたが、この頃は高校時代の友人に誘われてたまに飲みにも出掛けていますし」
先生「そうですか。由希子さんとはどのようなスタンスを取られているのですか?」
Aさん「帰った直後は、ほぼ毎日のように顔を合わせていました。が、最近はほとんど会っていませんね。あいつに避けられているんじゃないかという恐怖感もありますし、こちらから誘うのは躊躇われます。向こうのご両親も僕との関係に良い顔をしていないことも知っていますし……」
先生「でも、今でも愛しておられますよね」
Aさん「それはもちろんです!できれば結婚したいと思っています。その気持ちに変わりはありません。地元で次の仕事を見つけることさえできれば……」
先生「何か当てはあるのですか?」
Aさん「じつは高校時代の友達に、親父さんが工務関連の会社を経営している奴がいるんです。ついこの前、たまたまそいつと会って一緒に酒を飲んだのですが、僕が前の会社でIT関係の業務を担当していたことを話したら、ちょうどその手の人材を募集中だから親父に相談してみるって言ってくれまして」
先生「なるほど。それで先方からの答えはいつ頃、もらえそうですか?」
Aさん「たぶん、遅くとも今月中には連絡が来ると思います。そこの親父さんは今、海外出張中とかで、帰ったらすぐに話すと言っていましたから」
先生「良い結果につながることをお祈りします。最後に由希子さんに対して、何か伝えたいことはありますか?」
Aさん「……現在、こんな状態なのでとても無理強いはできないのですが、できればあいつと別れたくありません。一昨年、あいつの誕生日にプレゼントしたリングがあるのですが、それを婚約指輪の代わりだと思って、もう少しだけ待ってくれると嬉しいです」
最終結論と今後についてのアドバイス
一連の霊視を通じて得た私個人の感触と、口寄せによって得られたAさん自身からの情報はほぼ一致していました。そこで、「もう少しだけ事態を静観するべき」という結論に達しました。
こうしたことを由希子さんに告げたところ、「まだ、お話ししていない私の誕生日祝いの指輪のことをどうしてご存知なのですか?!」とまず驚かれ、「そんな細かいところまで読み取ることができる霊能者の先生のアドバイスですから、この際、素直に従ってみます」とおっしゃっていました。
その後の相談者の状況
(松元さん本人談)
おかげさまでその後、彼の再就職が決まりました。先生がおっしゃっていた通り、高校時代の同級生の父親が経営する会社に、営業企画兼IT担当として採用されることになったのです。先方は総勢20人ほどの小規模な事業所ではありますが堅実な経営態勢で知られる老舗企業で、たまたまうちの父もその社名を知っていたため、「ほぉ、あそこに入れてもらえたのか。この田舎じゃ、まずまずの会社だ」と少し感心したような表情さえ浮かべていました。またこれを機に父母の態度も、今までと比べてかなり軟化したように感じられます。
ついこの前、彼と会った際、「2ヶ月くらい前のことだけれど……」と前置きをして、不思議な体験を話してくれました。就寝中の夢の中で、全身が青白く輝く人影としばらく会話した、というのです。その人の顔は見えなかったが、話をしながらとても勇気づけられたような気分になり、(これから良いことが起こりそうだ……)と何となく思っていたら、本当に新しい就職口が決まったと、しみじみ語っていました。さらに「アレ、御先祖様とか神様とか、そういう存在だったんじゃないかな……」と。陸奥さんにご相談したことは彼には話しませんでしたが、もしかして、夢に出たこの白い影というのも霊能者の先生の分身のようなものだったのでしょうか?
いずれにしても、こちらから性急に別れを切り出さず、本当に良かったと胸を撫で下ろしています。貴重な助言に心から感謝いたします。