聞き手「イタコによる占い鑑定は普通の占いより的中率が良いと言われています。それはいったい何故なのでしょうか。今回雀堂先生にはイタコの占い鑑定の的中率について教えていただきたいと思っております」

「イタコとはこの世とあの世を結ぶ橋渡し役です。我々は皆、霊界から魂をこちら側に呼び出すための術を心得ております。しかし、もともとイタコは降霊術のみを行うものではなく、人々の悩みを解決し、願いを叶えるための存在です。我々の占い鑑定がよく当たるのはそこに理由があります。イタコになるためには先天的な霊感と厳しい修行のふたつが必要です。霊視で人の心を読み解くことや霊の存在を感じ取ること、未来を予知することは、そもそもイタコ以前の先天的才能として生まれながらに持っている者ばかりなのです」

聞き手「出来て当然ということですね」

「もちろん各イタコによって得意分野の個人差はあります。中には思春期以降に霊感に目覚めたという者も極少数ながらおります。しかしイタコの大多数は先天的に霊能術と呼ばれるものを会得している者ばかりです。そうでない者も、イタコ修行の一環として霊能力を開花させるにあたり、霊視、未来予知といった能力に開眼します。すべてのイタコが霊感を持っている、人の心や霊の存在を感じ取れる、という意味では、『出来て当然』と断言できるでしょう」

聞き手「巷の占い師とは根本的な素質と積み重ねた修練の量が違うということですね」

「はい。もちろん巷の占い師様にも霊感に優れた方はいらっしゃいます。しかし、それほど霊感に恵まれておらず曖昧な助言をそれっぽい物言いで伝える方も少なくありません。中には霊感がまったくないにもかかわらず相手の口調や表情から心理を読み取り話術で誘導する占い師もいると聞きます。星占いなどの決まったやり方を覚えることで、先天的な霊感がない方でもある程度の占いをすることは可能です。しかし、我々が行うのはそういった付け焼刃の占いではありません。生まれながらの力を厳しい修行にで活かした霊能術なのです」

聞き手「霊能者になる他に道はなかったという方も多いと聞きます」

「我々の中には先天的に霊感が強すぎるあまり普通の社会生活を営めなかった者が多くおります。霊が見えすぎてしまう者、人の本心が勝手に頭の中に響いてしまう者など……。私もその一人です。あまりに異能に秀でているが故に苦悩を背負い、狂ってしまう寸前の状態まで追い込まれたことがあります。そんな状況で、自らの能力を正しく制御するために霊能の世界に足を踏み入れるのです。占いや霊能にあこがれ習得するのではなく、元々そういう星の下に生まれているのです」

聞き手「我々には想像すら及ばない領域で苦悩された経験があるのですね」

「人にはそれぞれ苦悩があります。霊能力を持たない方もそれはそれで一人一人が苦悩を背負って生きているものです。しかし我々はそのような形で苦悩を背負い、それを乗り越えた上で、イタコの霊能術を習熟しました。そして、それらの才能と経験を活かし、現在は一人でも多くの方のさまざまな苦悩を拭い去り、幸せへと導くお手伝いをしたいと思っております。我々イタコの占い鑑定がよく当たる理由、それは“我々がイタコだから”という一言に集約できるかもしれません。人には様々な才能があり、ひとりひとりに得手不得手があります。しかし、こと霊能という分野に関して言えば、我々イタコは巷の占い師よりも一歩先を行く存在なのです。」