本当にあった心霊話
第二十二話 金縛りで出てきた霊を嫌いな子に移した
[体験者] 京都府京都市・三枝光穂さん・26歳・看護師
占いが好きで、陸奥の先生にも何度かお世話になっています。私、元々は霊とか占いとかまったく信じていないほうだったんです。そんな私が霊の存在を信じ、占いを真剣に聞くようになったのには、とある理由があります。その理由となったエピソードをお話します。
学生のころ、寝ていたら金縛りにあったことがあります。雑学好きで中途半端に物知りだったんで、金縛りは脳が起きて身体が寝ている時に見る明晰夢だって知っていました。だから、自分が金縛りにあった時も、まず「これは脳が起きて身体が寝ている状態」って頭で考えて、「これが金縛りか」としか思いませんでした。
でも、それから妙な気配がしたんです。横の窓から知らない女の人が入ってきて、音もなく私のベッドに近付いてきました。顔はよく分からなかったけど、真っ白い肌をしていて、見るからに霊って感じでした。その女は私のベッドの上に立つと、私を見下して何かを話し掛けてきました。口をパクパクさせているだけで声は聞こえませんでした。明晰夢だって分かっていても、さすがに怖かったです。
それで、私は思わず、当時同じゼミにいた嫌いな子のことを思い出し、「私じゃなくてあの子のところに行ってよ!」と念じました。必死に念じているうちに、気付いたらまた眠ってしまったみたいで、次に目が覚めた時には女の霊はいませんでした。
その翌日、ちょうどゼミの講義がありました。同じゼミ生のその子も来るはずでした。だけどその子は体調が悪い、ということで欠席したんです。しかも、驚いたことに、私その子の彼氏と知り合いだったんですけど、彼女の休んだ本当の理由が「部屋で霊を見たから」だったんです。それから彼女はその部屋を怖がるようになり、彼氏の部屋に住みつくようになり、しばらく同棲ごっこのようなことをした後、別れたみたいです。部屋は親に頼み込んで引っ越したそうです。
その子のことはどうでもいいんですけど、明晰夢だと思っていた金縛りで見た幽霊のこと、嫌いな子のところに行ってと念じたら本当にその子のところに行ったことが、とても驚きました。その件が起きるまで、霊的なことや占いはあんまり信じていなかったんですけど、それ以降、霊や占いを信じるようになりました。
霊能者による検証コメント
金縛りが明晰夢であるというのは事実です。しかし、霊は古来より夢を通して人に意思を伝えてきたり、呪ったりするもの。ですから、金縛りが明晰夢だからといって、そこに霊が出てくるという可能性を否定することは出来ないのです。ご投稿者様の遭遇した心霊体験はまさにそのパターンと言えるでしょう。
白い女の霊はおそらくその辺を通りかかった力の弱い低級霊に過ぎません。それがたまたまご相談者様の明晰夢と波長が合ってしまい、金縛りの最中に現れたのでしょう。元々ご投稿者様に恨みや因縁のあるタイプでもなく、邪気の強いタイプでもなかったので、念じられるままにお知り合いの方のところに行った、というのが顛末のようです。