私には子どものころ、許嫁がいました。家同士の関係で結婚相手として決められていたそうです。ちょうど私と同い年の男の子で、実際に何度か会ったことがあります。その男の子は病弱で、不幸なことに十代前半で亡くなってしまったのですが、とても不思議な子でした。「彩佳ちゃん（私です）は僕と結婚することはないよ」と言っていたのです。

最初に言われた時は「いくら親同士が決めた話とは言えそんなに私が嫌いなの？」と思ったのですが、彼は私のことが嫌いでそう言ったわけではないとのこと。「僕は彩佳ちゃんと結婚したいと思っているけど、僕は神様に呼ばれているから、結婚する前に行かなきゃならない。彩佳ちゃんは別の良い人と結婚するよ」と言い、私の結婚相手になるという人の特徴をいくつか教えてくれました。

当時はなんのことだかさっぱりわかりませんでした。それから数年後、彼は病気をこじらせて早く亡くなってしまいました。彼の死はとてもショックでした。不思議な子だったけど、私も結構好きだったからです。しばらくは気持ちが沈んでいました。でも悲しみというのは時が癒してくれるものです。やがて彼のこともあまり思い出さなくなりました。十代後半から二十代前半にかけては、何人かの男性と交際したり別れたりを繰り返しました。

そして二十代半ばで今の旦那と知り合ったのですが、交際してしばらく経ったある日、ふいに許嫁だった彼の予言を思い出して、衝撃が走りました。当時交際中の旦那は、彼が言っていた通りの特徴の人だったのです。許嫁の彼はあの時この人のことが見えていたんだ……と衝撃を受けました。その後、旦那とは一年弱の交際期間を経て結婚。子供にも恵まれ、今は専業主婦をしています。許嫁の彼はいまごろ神様の元にいるのでしょうか。家事と育児に追われながら、ふいに不思議な気持ちになります。

霊能者による検証コメント

鑑定を担当した霊能者です。ご相談者様の背後には神霊の使いが憑いております。外見は小学生くらいの男の子ですが大変強い霊力を持っているようです。おそらく縁のある方の霊体だということは感じ取っておりましたが、詳細をお話いただきまして大変納得いたしました。人の中にはごく稀にとても強い霊能力を持って生まれてくる者がいます。そういった者は神として畏れられる高位霊に好かれ、その傍に呼ばれる形で早世してしまうことがあります。おそらく許嫁の彼は若くして自らの運命を察知していたのだと思われます。