イタコが語るコラム・エッセイ
憎しみを忘れ、悪縁を斬り捨てよ
イタコ霊能者として、わたしもさまざまな相談を受けますが、恋愛相談と共に多いのが人間関係に関するお悩み。中でもやっかいなのが、霊的につたない、低レベルの人間から受ける嫌がらせのお悩みです。
卑しい魂の持ち主であるため、嫌がらせの内容は悪質極まりなく、聴いているこちらもほんとうに悲しい気持ちになり、ご相談者さまにもお気の毒で心が痛みます。しかし、ここでご相談者さまが恨みの念を深めてしまわれると、後々、霊的にたいへんよくない事態に進展してしまいますので、怒りや怨みを手放すことで霊的にステップアップする方法について書かせていただくことにいたしました。
霊的に卑しい人間はどこにでもいる
職場で、趣味の集まりの中で、ママ友などの間でも悪質な人間は存在してしまいます。陰湿かつ狡猾な方法で、立場の弱い方、おとなしい方、自分より恵まれている方に対し攻撃を加える輩です。
ひとは誰でも、霊格向上のために克服しなければならない課題を持って現世に生まれています。このような卑しい輩にはたいてい重い悪しきカルマが課されているのです。
健やかな魂の持ち主・満たされた心を持つ方は、ひとを傷付けたり攻撃したりしません。つまり、苦しくて、孤独であることを前向きに解消しようとしない、自堕落で不満だらけの不健全な魂の持ち主だからこそ、卑しい行いにふけるのです。
己に課せられた悪しきカルマをまったく自覚せず、克服どころかその苦しみから逃避するために他人を傷付け、陥れようとします。ひたすら醜い憂さ晴らしに励み、霊的修行はそっちのけという状態なのです。
それでも恨んではいけない理由
そのような性質の悪い人間に理不尽な攻撃を加えられたとき、ひとは悲しむと同時に恨みの念を抱いてしまいがち。誰にも言えずに悶々としている場合は、心の中で恨みの念を増殖させてしまいます。
誰かとその思いを共有できてしまうと、共有した同士で性質の悪い輩を陰口で攻撃し、ますます恨みの念を育ててしまうことも往々にしてありがちです。しかし、なぜそのような輩があなたの人生に登場したのかを考えてみてください。
それは、宇宙の偉大な法則が存在するゆえのこと。人生修行を怠り、醜い憂さ晴らしに明け暮れる餓鬼のような姿をあなたに見せることは、「あなたはこのようになってはいけないですよ。カルマの克服から、スピリチュアルなステップアップから逃げないでね」という宇宙・霊界からのメッセージなのです。
また、あなたが前世で同じように他者を圧迫していた場合、それを受ける側に回ることで、あなた自身が悪しきカルマを解消することになります。そして、あなたがその経験を通して強さ・やさしさを身に付けることができ、将来、いまのあなたのような理不尽な目に遭っている方を救ったり、癒したりできるすばらしい経験へのバックボーンになるのです。
悲しいかな、ひとは比較でしか判断ができません。醜い人間にさいなまれた経験があれば、のちにやさしく、あたたかな人間関係に恵まれたときの感謝の念はより大きなものとなります。
そして、霊界に上ることができたとき、地上の穢れのみじんもないそのすばらしさを強く実感することにもつながるでしょう。反対に恨みの念を爆発させてしまえば、相手と同じく低レベルの霊格に落ちて、同じような低レベルの波動を招き寄せ、取り巻かれてしまうことになります。
強い恨みは強い因縁を形成してしまう
しかし、恨みの念を強めてしまうことのほんとうのこわさは、強い因縁で醜い圧迫者とあなたを結び付けてしまうことにあります。そうなればまたつぎに生を受けたとき、つまり来世でも醜い圧迫者と遭遇することになってしまうのです。
道端に汚物があり、そこに虫が湧いているとします。恨みの念を募らせることは、その汚物を棒でつついて、「ああ、汚い」と長々と鑑賞するようなもの。
汚物は処理して、すみやかにトイレに流す、あるいはその場を離れることが、衛生的。恨みを忘れ、醜い圧迫者から距離を置くことが霊的衛生環境を向上させることになるのは明白でしょう。
悪しき人間関係を離脱することで、目先では不利益を被るかもしれませんが、長期的視点に立てばメリットのほうがはるかに大きいはず。圧迫者を「お気の毒な方」と憐れんで、知恵を駆使して切り抜けるほうが得策です。
怒りや怨みを手放すことで霊的にステップアップする方法について書かせていただきました。ただし、いまいまの段階ですでにメンタルを病むような深刻な事態に陥っておられる方、深刻な被害を受けている場合、相手が相当に悪質な場合には、知恵を駆使できない、駆使しても対応しきれないケースもあるかもしれません。
そんなときは、ほんものの霊能者の力を借りることをおすすめします。悪しき人物との縁切りなど、霊的な解決方法もあるということを忘れないでいただきたいです。